桔白のR−18












「桔梗チャンて欲がないよね」
「私は、これで貪欲なつもりですが」
「だってボンゴレのビルひとつ消したご褒美がさ、これとかさ、質素なんじゃないの」
「質素?大変贅沢の極みです」
「あはは」
「でしたら、もっと望みを聞いて頂けるので?」
「うんいーよ。今だったら何でもやってあげちゃう」
「ご機嫌がよろしいんですね」
「あれは王手も同然だものね。楽しかった、何がしたいの?」
「では」
「うん」
「こちらの脚を、もっとこう」
「うん」
「こちらの脚はこう。もう少し、ひねるように」
「うーん」
「手はこのようにして、押さえて下さい。腰を浮かせて、もっと高く。こう」
「……うん」
「顔は伏せてしまっては駄目ですよ。見せて」
「こっちの手は?」
「それはここへ。違います。こう、です」
「…………」
「はい、それで下半身を起こして。よろしいですか?」
「ちょっと、キツい……」
「いけませんね。では、私めが、こう」
「え、あ、ちょっと待って、ちょ」
「申し訳ありませんが、待てそうにありませんので――では」
「っつ!や、あ――あッ、まっ……」
「前から思っていましたが、やはり大変よろしいものですね。お顔を同時に拝見できて、そんな表情をなさって、ここも、こんなで――有難うございます」
「ンン、あッあ――あ、き、桔梗チャ、や……だ」
「そのお顔がたいそう素敵です。伏せないで。ご自分でもよくご覧になって」
「ひっど……ん、あ、それ、も、」
「紐です。失礼致します、このまま」
「ちょ、や、あ、あああ!」
「抑えない貴方の声はなんて、素晴らしいんでしょう」
(あばずれを演じる生娘が哀れであるように)
「こう、したかった……、の」
「そうですよ。有難うございます」
「へん、た、」
「変態ですよね。貴方に関しては」
「も、見な、――あ!」
「見たいんです」
(貴方が愧じらうところが見たいんです)
「淫らでいやらしくて、本当にお綺麗ですよ。――ここも」
(処女のように、少女のように、己の恋を初めて知った、我が身を愧じて)
「ここも」
(相手が恋しい、相手が欲しいと言い出せない貴方が見たいんです。入江正一の時のように)
「素晴らしい我が悪魔。最高です、もっと」
(キスはまだ、手を繋ぐのもためらう、そんな貴方が)
「もっと乱れてよろしいんですよ」
(そんな貴方を蹂躙できたあの男、入江正一)
「白蘭様」
(この手で殺す)

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